【第11回】実践の役に立つ研究を目指して(米田 龍大)

北海道医療大学大学院看護福祉学研究科臨床福祉学専攻
博士課程 米田 龍大

自己紹介

 北海道生まれの道産子です。現在は札幌からJRで片道1時間くらいの距離にある当別町の北海道医療大学に通っています。大学の周りは自然も多く、気付けば学部生時代から、四季を感じ、当別町に工場を持つ北海道銘菓のロイズチョコを食べながら、まさに花も団子もという小旅行のような気分で通学していました。
 学問としては「福祉疫学」に興味を持ちました。きっかけは学部生時代の講義です。様々な講義の中で、多くの経験を持つベテラン実践家の職人芸のような支援の様子を見聞きし、そうした実践知はかけがえのないものであり、継承すべきと感じました。他方で、ベテラン実践家のいない地域はどうしているのか、有意義な実践知は一般化され広範囲で実施できるようにすべきではないのか、ベテラン実践家の引退後にむけた対策はどうなっているのかという疑問も浮かんできました。これらの疑問に答える一つの方法として、疫学的手法を用いて実践知の一般化を目指したり、より効率的な支援の実施に向けて関連要因を明らかにしようとする福祉疫学に関心を持ち大学院生生活をスタートしました。

研究内容

 以前からResilience(リジリエンス・レジリエンス)概念に興味があり、研究しています。一般にResilienceは個人の心理的特性に依拠するものと理解されていますが、諸外国の研究では心理的特性のみならず、Resilienceの発揮に人と環境の交互作用が重要であることが示されています。そうした視点は社会福祉が長年重視してきたものです。そのためResilience発揮に向けて、社会福祉学で蓄積された知見が寄与する部分は大きいと考えています。併せて、今後の社会福祉実践の発展にResilience概念を導入することが有意義なものになると予想しています。
 現在は、実践的なResilience概念の活用を目指して、生活困窮状態にある人への支援方法を検討しています。これまでの研究で、諸外国の児童・青年期を対象とした研究と同様に、生活困窮状態にある人のResilience発揮に繋げるためにも、人と環境の交互作用が重要である可能性が示されました。今後、これらの知見を深めていく予定です。

当学会へのリクエスト

 研究活動では何よりも人との出会いが重要だと考えています。それに関する最近の大きな動きとしてCS-NETがあります。こうしたオンラインでの交流機会が作られたことは、北海道に住む私にとって貴重な取り組みだと感じております。今後もオンラインの活用を推し進めて頂ければ幸いです。その中で、研修会のテーマ募集用フォームや、研究上の悩みを相談するためのオンライン掲示板の様なページが作られると、孤立せずに研究を進めやすくなるかと思います。併せて、第70回秋季大会で発表された坂本いづみ先生(トロント大学)のように海外で活躍される先生方の研究や、国内で活躍される著名な先生方のお話について、期限を設けず繰り返し視聴できるオンデマンド等の仕組みを設けて頂けると、より学びが深まるものと考えます。