【第16回】人と人の心をつなぐ地域での活動に着目して(山﨑 まどか)

日本福祉大学大学院福祉社会開発研究科 博士課程
 山﨑 まどか

自己紹介

 初めまして。山﨑まどかと申します。私が福祉に興味を持ったのは、高校時代のボランティア活動がきっかけでした。その頃、部活動(ハンドボール)も諦められず、大学は2つのキャンパスを行き来しながら勉学と部活動の両立生活を送りました。その大学で出会った医療ソーシャルワーカー経験のある先生の影響を受けて、卒業後は病院で15年務めました。それから、厚生労働省健康局(当時)でがん・疾病対策を担当し、任期後は文京区社会福祉協議会のボランティア支援センターを経て、現在は、公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会で事務局長として働きながら研究に励んでおります。

研究内容

 修士課程に進学したのは病院勤務の頃で、「医療ソーシャルワーカーによる地域ネットワークの形成プロセスの研究」として食支援を事例にしたアクションリサーチを行いました。「最期まで食べられるまちづくり」に先駆的に取り組む自主研究会、行政の委員会、病院内のチーム活動の3つのフィールドで、院内外に働きかけながらネットワークづくりに参画するソーシャルワーカーの役割や専門性を示しました。食支援を通じて深められてきた多職種との関係から、他の事例においても力を合わせてクライエントの望む暮らしに近づけることや、職場が変わっても新たな形で連携が生まれていく状況に、実践と研究の循環の楽しさを感じました。
 そして現在の博士課程では、がん対策に携わった経験により、小児がん経験者の就労支援のモデル化について、地域福祉領域等の先生方にもご指導いただき研究を進めています。治療と仕事の両立支援が広がりつつある一方で、こどもの頃に闘病してきた人たちが成長する過程で直面する課題は、まだまだ知られておらず、施策から取りこぼされやすい環境にあります。医療提供体制の整備を軸とした施策だけでなく、地域で展開していくモデルを示すことが必要ではないかと考え、就労の機会を広げようと当事者の親御さんが中心となって発足したNPOのプロジェクトと、それに協力する企業や自治体等の相互関係に着目した研究です。協力者の皆様からエネルギーをいただきつつ、取り組んでおります。

当学会へのリクエスト

 関係者の皆様におかれましては、様々な役割があるなかで、このような委員会を設立し運営いただいていることに感謝申し上げます。企画を通して初期キャリアの皆さんの様子を知ることができ、また、連絡を取り合うきっかけとなって、仕事や研究の励みになっております。集まりにはタイミングが合わずまだあまり参加できておりませんが、ぜひ継続いただけますと幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。