【第3回】これまでの歩みをふりかえって(篠崎 ひかる)

篠崎 ひかる

立正大学社会福祉学部社会福祉学科/東京都立大学大学院博士後期課程
篠崎 ひかる

自己紹介

 私は福岡県で生まれ育ち、大学入学とともに上京しました。大学に入学した頃は、何を専攻したいのかぼんやりとしか決まっていませんでしたが、自分自身のそれまでの生活の中で社会福祉を身近に感じていたこともあり、社会福祉を専攻することにしました。とある日の授業で、現在の研究テーマである罪を犯した人への支援について知る機会があり、それ以降はこのテーマについてもっと知りたい、考えたいと思うようになりました。大学卒業後、東京都立大学大学院に進学し、現在は博士後期課程の4年目に在籍しながら、立正大学社会福祉学部社会福祉学科の助教として勤務しています。

研究内容

 罪を犯した人への支援といっても、さまざまな対象や支援領域に関する研究がありますが、大学院に進学してからは、罪を犯した高齢者の支援について研究を行っています。具体的には、さまざまな背景から犯罪に至った高齢者たちが、その後地域で生活していく際にどのような支援が必要と考えられるのか、支援者の方々のインタビュー調査から分析を試みています。
 本人は家族や社会からの孤立、生活困窮、心理的な孤独や不安といった生きづらさに直面している一方で、本人の過去の犯罪を理由に支援者が支援しないことを正当化する場面や、支援者が困難さを感じ、支援を躊躇する場面も少なからず存在しています。このような現状に対して、社会福祉の観点からはどのような考え方や関わりが必要とされているのか、今後も研究を続けていきたいと考えています。

当学会へのリクエスト

 私は高校から修士課程までの長い間、奨学金を借りて学業を続けてきました。博士課程の3年間では大学独自の給付奨学金をいただくことができましたが、自分自身の将来がなかなかイメージできない中での院生生活では、研究に関する悩みと同時に経済的な不安とも常に戦っていました。特に修士課程から博士課程に進学するかどうかという進路選択の場面や、奨学金が終了する博士3年次には、これからどのように生活を成り立たせていけばいいのか非常に焦りを感じていました。他の若手研究者の方々とのつながりが多いとは言えず、限られた情報の中でその後のキャリアをイメージすることになっていたので、若手研究者のキャリア形成やライフイベントとの付き合い方などについて、将来のイメージが持てるような場や、互いに情報共有ができるような場があればうれしく思います。