日本で社会福祉を学ぶ

索 宏

東洋大学大学院博士後期課程/中国長春人文学院社会福祉学部・講師
索 宏

自己紹介

 ぱんぱんに膨れ上がっているリュックを背負い、2014年の春に、私は再び海を渡って東京につきました。日本で冒険した大学の交換留学時代とは異なり、少しでも遊びの気持ちを収めて、真剣に自分のやりがいのある道を探りたかったのです。そのとき、大学で研究に身を捧げている親の姿を思い出して、大学院に入って社会福祉という新しい学問の扉を叩きました。まだまだ福祉の世界に入門したばかりですが、長く興味を持つ福祉サービスの供給についての研究を続けようと思っています。現在東洋大学大学院の博士後期課程に在籍しつつ、中国の長春人文学院の講師を勤めていて、日本と中国を行き来しながら生活を営んでいます。

研究内容と研究分野

 私は社会福祉サービスの供給における行政、専門家と利用者の関係についての研究を行っています。
 社会福祉サービスを利用するとき、利用者は行政と専門家による必要な判定を受けなければなりません。つまり、権力や情報を独占している行政と専門家は裁量の余地が大きく、サービスの供給過程の中で圧倒的な優位を持っています。一方、行政と専門家は感情的中立や普遍的な価値など共通している部分は多いのですが、行為の方法、評価の基準、手続きと結果の扱いなど、双方のあいだに構造的な緊張が存在しています。受動的な立場の利用者の権利を擁護して、社会の正義を保ちながら、利用者の抱えている諸問題の解決策を提示するソーシャルワーカーのポジションを明らかにして、ソーシャルワーカーに自由裁量の権限を与えることが重要でしょう。それは日本だけではなく、世界共通の有意義な課題ですから、今後も研究を続けていきたいと考えます。

当学会の魅力

 当学会は日本国内を中心とする大会や地域ブロック活動だけでなく、中国、韓国などの海外の社会福祉系の学会と連携して、定期的に国際シンポジウムや国際フォーラムを行っています。それによって、海外のホットな最新情報や研究動向が手に入り、より広い視野で多様な福祉の世界を楽しむことができます。また、当学会は日本にいる海外出身の研究者、及び日本へ福祉を学びにきた若者に対して、開放的な研究環境を設けています。個人的に最も印象の強いのは、毎年の大会で開催される「若手研究者のためのワークショップ」と「留学生と国際比較研究のためのワークショップ」です。国が違っても同じ志を持っている若い人々が自由自在に交流できて、とても魅力的な場だと考えます。

当学会へのリクエスト

 社会福祉学については、従来からテ―マとされた少子高齢化問題のみならず、新型コロナウイルスのパンデミックという世界的な公共的危機や、さまざまな地域における持続可能な発展に関する課題も含まれています。グローバル化が進む現在、世界各地で福祉課題がますます変化しているため、先進国の福祉だけでなく、発展途上国における福祉社会の開発にもより目を向ける必要があるでしょう。そのため、その分野の情報も多く共有していただければ大変ありがたいと思っています。