【第12回】実践から理論にそしてまた実践に繋がる研究を目指して(土井 幸治)

土井 幸治

久留米大学大学院比較文化研究科後期博士課程
土井 幸治

自己紹介

 佐賀県出身で、田畑に囲まれ、家族はもちろん、地域の方々にお世話になりながら育ちました。そのような環境もあってか、人が大好きで、いろんなことにチャレンジしてきました。その一つにボランティア活動があり、高齢者福祉施設への訪問、地域での募金活動、ジェンダー問題など多岐に渡ります。中でも少年育成事業にボランティアとして参画した際には、幼少時代の経験もあり、子どもに係る仕事に対し、強く関心を抱くようになりました。大学・大学院(修士課程)では、福祉・ソーシャルワークを学びましたが、修了する頃に、スクールソーシャルワーカーという職に出会いました。これは、運命だと迷わず、学校現場に飛び込みました。その後、不登校、いじめ、児童虐待、非行問題、生活困窮家庭などさまざまな子ども家庭に関する支援に関わってきました。その中の一つに「学級崩壊」がありました。学級の子どもと担任、子ども同士の関係がうまく行かずに授業が成り立っていない中に、子どもや先生が苦しまれている様子をみて、スクールソーシャルワーカーとして何か出来ないかと取り組もうとするが、当時は「学級崩壊は、担任の問題である」と一掃され、疑問を抱きながらも、介入の必要性をうまく説明できずに悔しい思いをしました。このような経験と縁が重なり大学院後期博士課程への進学をしました。

研究内容

 現在、久留米大学大学院比較文化研究科後期博士課程に在籍しながらも同大学にて助教として教育・研究に取り組んでおります。研究は、スクールソーシャルワーカー時代の問題意識から、学級崩壊においてスクールソーシャルワーカーは何が出来るかをテーマに研究を行っております。もう少し言えば、学校だけではなく関係機関を巻き込んだ取り組みについての実践研究をしております。問を立て、調査・分析し、新たな考え方を導き出すプロセスは、容易ではなく、進んだかと思ったら、新たな疑問が浮かび、発見と疑問の往復作業です。そのような作業の中、先行研究、学会・研修会、調査を通したさまざまな出会いに学びや励ましを得ながら取り組んでおります。今後も研究を継続しながら、繋がりを広げていきたいと考えております。

当学会へのリクエスト

 前述しましたが、研究をしていく中で、ある先行研究、講演や人との出会いには、胸を高鳴らせる刺激があります。そのような機会が、学会にはあると思います。既に実施されておりますが、オンライン・オフラインでの繋がりづくりを継続いただければと思います。その内容は、時代、地域と幅広くあることが、新たな気づきを生み出すきっかけにもなるため、特に限定的である必要はないと思います。また初期キャリア研究者の交流の機会もぜひ継続いただければと思います。