日本社会福祉学会 第71回秋季大会

大会について

学会長挨拶

第71回秋季大会 大会長
武蔵野大学 学長 西本照真

第71回秋季大会 大会長 武蔵野大学 学長 西本照真

 日本社会福祉学会第71回秋季大会を、本学武蔵野キャンパスを会場に開催していただきますことを、大変光栄に思い、心より感謝を申し上げます。
 本学は、仏教精神にもとづいた浄土真宗本願寺派の宗門関係学校として設立されました。生きとし生けるものが平和で幸せに、というのが仏教の願いです。その建学の精神を今日的に具現化していくため、2016年4月、本学は「世界の幸せをカタチにする。」(Creating Peace & Happiness for the World)という新ブランドステートメントを宣言しました。
 私は折に触れて、「2050年にあなたを取り巻く世界はどのような世界か」を問いかけています。気候変動による異常気象、災害が頻発し、資源や食料を奪い合う国家間の紛争が多発し、多くのいのちが危機を迎えています。人間が生きることそのものが、動植物のいのちをいただくことで成り立っているように、生きとし生けるものが繋がっている世界で、「自分さえよければ」が誰かから生じれば、その繋がりごと壊れてしまいます。無関心でいられる安全地帯など誰にもなく、「自分」さえも生を持続できません。
 そんな世界にしないためのたたかいこそが、これからの学問です。誰かの痛みを放っておけない感性と、「ひとりよがり」から踏み出していく勇敢さをもって、挑み続けることが必要です。本学では、2019年3月に「武蔵野大学SDGs実行宣言」を発表し、SDGs達成への様々な取り組みを進めています。困難はあっても、「世界は、幸せか」と問い続け、応え続けていかなければなりません。
 第71回秋季大会が、このような思いを同じくする社会福祉学会の会員の皆様が議論し、世界の幸せを問う場となることを願うとともに、日本社会福祉学会の今後のさらなる発展を心からお念じ申し上げます。


実行委員長挨拶

第71回秋季大会 実行委員長
武蔵野大学 人間科学部社会福祉学科 学科長 渡辺裕一

第71回秋季大会 実行委員長 武蔵野大学 人間科学部社会福祉学科 学科長 渡辺裕一

 日本社会福祉学会第71回秋季大会を武蔵野大学武蔵野キャンパスで開催させていただきますことを心より感謝申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響下において大会の開催のあり方は大きな影響を受けておりますが、第71回では、各シンポジウムや特定課題セッション、口頭セッション、ポスターセッション、情報交換会のすべてを対面で開催することを目指しております。そして、これまで難しかった対面でのつながりを取り戻す機会をつくることに、挑戦したいと思います。
 さて、今回の大会テーマは、「世界の幸せをカタチにする社会福祉学の挑戦」としました。私たちが暮らす世界は今、戦争・紛争、災害などが各地で発生し、新型コロナウイルスの影響を受けています。人の暮らしの格差は拡大し、幸せとはほど遠い、多くの生きづらさを生み出しています。
 2030年までに、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けた持続可能な開発目標SDGsは、17のゴール・169のターゲットから構成されていることは、様々な面で教育に取り入れられるなどにより、多くの人々に知られるに至りました。しかし、2030年までの目標到達は困難な状況は否めず、目標そのものについても様々な意見があります。
 真にすべての人々が幸せをカタチにすることを実現するために、社会福祉学の貢献は欠かせないことは言うまでもありません。特にわが国では人権面での取り組みの弱さが指摘されています。社会福祉学の立場から現状に対して批判的に吟味し、いかにその状況に変化をもたらすかを具体的に検討していくことが必要です。
 社会福祉学は、これまでもこれからも、人々の幸せをいかに実現するかが「学」としての使命であり、今まさに一人も取り残さず幸せをカタチにするために、挑戦していくことが求められています。
 誰もが幸せをカタチに出来る社会を目指して、社会福祉学の研究者や実践者、関係者が武蔵野大学武蔵野キャンパスに一堂に会し、シンポジウムをはじめとする議論の場をつくることができることを、大変喜ばしく思っております。多くの皆様との活発な議論がなされることを、心から期待しております。
 実行委員会をはじめ、関係者一同、皆様のご参加を心からお待ち申し上げております。