大会テーマ:揺らぐ家族と社会福祉―子どもが育つ環境をどうつくるか
1 趣旨
2023年度に発足予定の「こども家庭庁」は、その創設論議が始まった当初には「こども庁」の名称が用いられていた。「家庭」の2文字が含まれることになったのは、子どもは家庭で母親が育てるという伝統的な家族観が根強かったためといわれる。
しかし、家族のあり方は多様化している。少子化や生涯未婚率の上昇に伴う現役世代の単身世帯の増加は「夫婦と子ども2人」を標準世帯に制度設計してきた社会保障制度から零れ落ちる人々を生み出し、ステップファミリーで育つ子どもも生きづらさを抱えている。また、子どもの貧困やヤングケアラーの問題は、家族が抱える問題の解決責任を家族に求めることが困難であることを示している。さらに、パンデミックにより人々が家庭で過ごす時間が増加したことは、これまで見えにくかったストレスを可視化した面もあり、家族や家庭は人々のウェルビーイング実現にいかなる意味や役割をもつものなのか、改めて問われるようになってきている。
社会福祉研究においても、1970年代に岡村重夫らが提起した「全体としての家族」という家族集団それ自体を援助の対象とする家族福祉論を、家族の個人化やケアの社会化が進行する中で問い直す議論が求められている。本シンポジウムでは、家族のありようが揺らぐ今日的な状況の中で社会福祉には何が求められているのか議論してみたい。
2 主催
一般社団法人日本社会福祉学会
3 日時
2023年5月28日(日)13:00~17:30
4 会場
東洋大学白山キャンパス
- 対面開催(参加申込者に限定して録画データを後日公開します)
5 対象
一般社団法人日本社会福祉学会会員及び会員以外の方でテーマに関心のある方
6 参加費
1000円
7 プログラム
- 開会挨拶
- 13:00 空閑 浩人(日本社会福祉学会会長)
- 講演
- 13:10~14:30
日本社会福祉学会 2022年度学術賞受賞者講演
『生活保護解体論-セーフティネットを編みなおす』
岩田 正美
『包括的な支援体制のガバナンス
-実践と政策をつなぐ市町村福祉行政の展開』
永田 祐 - 休憩
- 14:30~14:40
- シンポジウム
- 14:40~17:20
テーマ「揺らぐ家族と社会福祉―子どもが育つ環境をどうつくるか」- 【シンポジスト】
- 長沼 葉月(東京都立大学)
野沢 慎司(明治学院大学)
横山登志子(札幌学院大学) - 【コメンテーター】
- 伊藤嘉余子(大阪公立大学)
- 【コーディネーター】
- 山田壮志郎(日本福祉大学)
- 閉会挨拶
- 17:20 金子 光一(日本社会福祉学会副会長)
- 終了
- 17:30
- 敬称略
- プログラムの進行上、時間が前後する場合があります
8 参加申込み方法
準備中
9 問い合わせ先
一般社団法人日本社会福祉学会大会ヘルプデスク
〒162‐0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター
TEL:03-6824-9385 FAX:03-5227-8632
E-mail:jssw-spring[at]conf.bunken.co.jp([at]を @ に変えて下さい)